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今回は、受動喫煙について
和歌山市保健所 地域保健課の鈴木孝さんに伺います。
◆受動喫煙とは
受動喫煙とは、他の人が吸っているタバコから立ち上る煙や、その人が吐き出す煙を吸い込んでしまうことをいいます。この受動喫煙によって肺がん、脳卒中などの病気でリスクが高まると言われています。年間1万5千人が、受動喫煙を受けなければこれらの疾患で死亡せずに済んだと推計されています。
◆改正健康増進法について
改正健康増進法は、望まない受動喫煙の防止を図るため、特に健康影響が大きい子ども、患者の皆さんに配慮し、多くの方が利用する施設の区分に応じ、施設の一定の場所を除き喫煙を禁止するとともに、管理権限者の方が講ずべき措置等について定めたものです。昨春の令和2年4月1日から全面施行され、多数の者が集まる施設で原則、屋内禁煙となりました。
◆多数の者が集まる施設というと、対象が沢山ありますよね。
定義としては2人以上の者が同時に、又は入れ替わり利用する施設となります。例えば、事務所や工場、飲食店や商業施設などは屋内については原則禁煙です。
◆喫煙できる場所が減ってきていますしね。
タバコ代も値上げが続きますし、今まで設置されていた灰皿がどんどん撤去されているように見受けられます。また、令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要によると、現在習慣的に喫煙している者のうち、たばこをやめたいと思う者の割合は26.1%だということです。これは、喫煙者の4人に1人は、タバコを止めたいと思って喫煙しているということなのです。
◆タバコを止めたいのに喫煙するということですか?
たばこに含まれているニコチンという成分が、喫煙によって体内に取り込まれると、報酬系と呼ばれる神経回路に作用して心地よさをもたらします。この仕組みが、強い依存を引き起こすので喫煙の習慣をなかなか止めることができないのです。
◆禁煙をするのは難しいのでしょうか?
はい。それは人によるかもしれません。難しそうなら、まずは禁煙を開始するときに「今後一生禁煙しよう!」と思うことをやめてみるのはどうでしょう。長期的な目標を最初から持つと、途中で疲れてしまいます。失敗を恐れず「とりあえずやってみる」という気持ちで気楽に実施しましょう。私自身も今回の禁煙で4回目。半年ほど禁煙チャレンジ中です。気になったら「e-ヘルスネット」という厚生労働省のwebページに禁煙支援の記事があります。充実していますので参考にしてみてください。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco-summaries/t-06
<参考資料>
◇なくそう!望まない受動喫煙
https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/people/
◇国民健康・栄養調査|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kenkou_eiyou_chousa.html
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf
(32頁)
現在習慣的に喫煙している者のうち、たばこをやめたいと思う者の割合は 26.1%であり、男女別にみると男性 24.6%、女性 30.9%である。この 10年間でみると女性では有意な増減はみられないが、男性では有意に減少している。
◇Q 依存性について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/qa/detail4.html
たばこの成分であるニコチンによるニコチン依存は、国際疾病分類(ICD−10)や精神医学の分野で世界的に使用されている「精神障害者の診断及び統計マニュアル第4版」(DSM−IV)において独立した疾患として扱われており、たばこに依存性があることは確立した科学的知見となっています。
◇e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
禁煙はしたいけれど、まだ踏み切ることのできないあなたへ《関心期編》
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-06-001.html
■お問合せ先
・和歌山市保健所 地域保健課 健康づくり班
☎ 073−488−5121